コラム
2016年11月17日
卒業式までに知っておきたい帯の結び方
着物と違って、袴は帯があまり見えませんね。前側では袴と着物の間にちょっとだけ見えるだけですが、これは差し色として全体のイメージを決めるポイントになります。後ろでは見えないけれど、ちゃんと結んであるのをご存知でしょうか。今回は、帯結びの一つの方法をご紹介します。
袴に使うのは「半幅帯」というものです。浴衣などにも使う帯ですから、使ったことのある方も多いかもしれませんね。袴ではまず、半幅帯で幅の狭い一文字をつくります。一文字というのは、リボンのような羽が横にピンと張った結び方です。お着物では羽の長さを背中の幅と同じくらいにしますが、袴ではその半分くらいの長さにします。袴の紐を帯に絡めるときに羽の外側の部分を少し内側に折るようにして、丸みを出します。文庫に近い形ですね。これが袴の土台になるのです。この帯の土台があることで袴がしっかりと帯に乗り、歩いたりしても袴が下に落ちてくるのを防ぎます。
また、羽に丸みを付けているので、袴の背中側が緩やかで綺麗なカーブを描くようになります。このカーブが男性の袴と女性の袴の違うところなのです。このカーブがあることで、袴が女性らしい、可愛らしいシルエットになります。帯結びは見せるだけでなく、見えないところでもしっかりと役割を果たしています。