コラム
2016年8月4日
袴には女性専用の色々な種類があります
現代において女性の袴姿を見る機会というと、学校の卒業式や神社の巫女装束の袴「緋袴(ひのはかま)」や弓道着の袴などがあります。かつて女性の間で礼装として身分の高い女性たちの間で用いられていた袴でしたが、その後着物を着るようになってからは袴を着る事はほとんどなくなってしまいました。
その後、女性用の「女袴(おんなばかま)」が出てきます。では女性が身に付けていた袴には上のもの以外にどんなものがあったのでしょうか。いくつか見ていきたいと思います。明治時代、女性用の袴がなかった時に女性達は男性と同じ「仙台平(せんだいひら)」という袴を着ていました。「仙台平」は礼装にも用いる事のできる袴(絹の生地で縞模様の場合に限る)です。
「裁付(たっつけ)」野袴や山袴などの事です。もともと野袴や山袴は「軽衫(かるさん)」と同じ種類の袴ですが、「裁付」は「軽衫」が進化した袴と言われています。
山袴の種類の一つである「もんぺ」は知っている方も多いかと思います。「もんぺ」は労働の作業着に向いていた為、戦時中は女性にこれを着用するよう国が強要していたと言われています。
「表袴(うえのはかま)」は平安時代に貴族階級の女児が「汗衫(かざみ)」という着物を着ていた時に穿いた袴です。ここに挙げたのは一部ですが、他にも種類があったようです。