コラム
2016年8月7日
袴が卒業式に多い理由とは
春の卒業式シーズンには、袴姿の女性を多くみかけます。とても可愛らしいですね。せっかくの卒業式、あの姿にあこがれる人も多いでしょう。袴姿の由来はなんでしょうか。戦前の日本では女学校で学ぶ人が多かったです。
とはいっても、女学校に通えるのは比較的お金に余裕のある方が多くを占めていたようです。
読み書きのほか、洋裁、和裁などを丁寧に指導していました。当時はまだ既製服というものがありませんでした。洋服でも、着物でも、自分や家族が身に着けるものは、どこかで買うものではなく、自分で仕立てるものでした。そのような作業中心の勉強では、着物姿は少々不便でありました。
そこで、着物の裾を少し短めに着て、上から袴をつけて隠したのです。袴は帯の上から体に縛って着ます。裾はスカートのように、ひだをつけて下げてあるので、着物よりも歩きやすかったのです。
それに、帯と着物が汚れにくく、実用的な衣装でした。足元は草履と足袋の昔からのスタイルはもちろん、袴だとスカート状なので靴でもおかしくありませんでした。和洋折衷の日本らしい発想でした。
これが女学校の先生も生徒もしていたために、今でも大正時代のロマン風なイメージが残ったのです。今の日本では、女子学生が卒業するときのみの、憧れスタイルとなりました。